小川と言うには大きいような、かと言ってそれほど大きくない川が流れていて、なんとは無しにぼんやりと毎日通る道すがら眺めている。
その川は護岸されていて、おそらく川底もコンクリートで敷き詰められていると思うのだけど、それにしては矢鱈と草が生えている。いつぞやは蛇が泳いでいたりして、なんとまぁと思ったくらい。
なんでそんなに草が生えているのかといえば、上流から土やらなんやらが流されてきて、それが堆積して、草やらが生えてきているのだけど、正直川の幅の半分以上、水面からだいぶ上の方まで堆積して軽い丘みたいになってる。川の中に自然の岸ができていてその中を小川が流れているような入れ子な景色。
あまりに堆積して草が生えているので、どうやら定期的に川の底をさらって土を取り除いたりしているらしいのだけど、またしばらくすると土が流れてきて草が生えて岸ができて小川が流れている。
その様を眺めるにつけ、コンクリートで護岸されていなかったらどうなるのだろう、こんなのを放っておいたら川の形なんか頻繁に変わってしまって大変だろうなぁと思ったりする一方で、放っといても勝手に水が流れて土が流れてきて草が生えて岸ができて、きっともう少し放っておいたら木が生えたりするんだろと、なんというか自然はすげーなくらいの感慨が湧いてくる。
そんなこんな考えていると、そう言えば近くには古墳やら遺跡やら住居跡なんかがあちらこちらにあったらしいことに思い至り、きっと昔からこんなんなんだろうなと腑に落ちたりもする。