最近なにかと話題の電子図書のフォーマットePubをAndroid on HT-03Aで見てみたというお話です。
最近注目のePub
最近、Amazon KindleやSony Readerの対応、Googleの電子図書公開(http://japanesh.engadget.com/2009/08/27/google-books-epub/)などで何かと目にする機会が多いePubです。
詳しいことは、http://ja.wikipedia.org/wiki/EPUBやhttp://www.kobu.com/docs/epub/index.htmを参照することとして、概要はこんな感じだろうなぁっと。
-xHtmlとして電子図書を記述
-関連ファイルをZipで固めて、拡張子を”.ePub”にする
-装飾などはリーダ(ブラウザ?)とxHtml+CSSに依存
-一言で言うとjarファイルの電子図書版?
試してみたい
で、以前から気にはなっていたのですが、手元にリーダやePub形式のファイルがないため試せないような気になっていました。ふと気が付くと、手元にはHT-03Aがあり、ファイル形式を見ると青空文庫あたりをちょっと修正すればできそうな予感。ということで、色々ありものを組み合わせて触ってみました。
AndroidのePubリーダーを探してみた
早速、Androidマーケットで”ePub”を検索してみたところ、二つほどそれらしきものが見つかりましたので、早速インストール。
–Aldiko Book Reader
–FBReader
後で気が付いたのですが、FBReader ver.0.5.27 の方では日本語のePubファイルを見てみると、行末の折り返しがうまく言ってないようです。しばらくはAldiko Book Reader一択なのかなぁっといった感じ。
ePub形式の電子図書を準備する
さて、無事リーダが見つかったので、実際に読むためのePub形式の電子図書を準備します。冒頭のとおりePubは多少の違いはあるもxHtmlをZipで固めただけの仕組みですので、青空文庫で配布されているファイルをちょっといじればできそうな感じです。
っと思ったのですが、ちょっと調べてみるとText2ePubという青空文庫をePub形式に変換するソフトが既にあったので、それを使わせてもらいました。
必要なものは以下。とりあえず、実行してみて動かなかったら個々に対応する感じでOKでした。詳しくはそれぞれの入手先URLも書いてあるreadme参照。*1
-.NET framework 2.0
-ZIP32J.DLL と ZIP32.DLL
-青空文庫からダウンロードしたZipファイルに含まれているTextファイル
あとは、操作方法どおり、TextファイルをText2ePubにドラッグ&ドロップして、変換をクリックすれば、ePub形式のファイルに変換されているはずです。
ちなみに、このText2ePubは一括変換にも対応しているようですので、もしかすると青空文庫の全図書がいつの間にかePubに対応していたなんてこともあるかもしれません。
実際にHT-03AでePub形式のファイルを見てみる
HT-03AとAldiko Book ReaderでePub形式のファイルを見るためには、HT-03AにePubファイルを転送する必要があります。普通にやるなら、PCとHT-03AをUSBで接続したあと、SDカード内の”\eBooks\import”ディレクトリにePubファイルをコピーしてください。
コピー後、Aldiko Book Readerを起動し、MenuからImportを選択すれば自動的に読み込まれるはずです。読み込まれた電子図書は、Aldiko Book ReaderのBookshelfに入っていると思います。
普通はここで実際に電子図書を表示している画面のスクリーンショットなどあるのでしょうが、Androidでスクリーンショットを取るのが若干面倒くさかったので、そんなものはありません。
見てみた感想
一言で言えば、「うん、ページと目次があるブラウザだね」ということに尽きるでしょうか。一昔前から言われていた電子図書の数々の問題点はそのまま保留されているようです。まぁ、冷静に考えてみればそもそも中身が単純なxHtml+CSS+画像なわけで、なにか格段の取り計らいがあると考えるほうがどうかしています。
もう少し、過去の議論や経験を生かせばよかったのにとは思いますが、どうせ百家争鳴して収拾が付かなくなるのは目に見えていますし、それなら一番普及しているであろうものにあわせるという現実解を出したことを責められるはずもありません。せめて本文の形式に自由度を与えても良かったのではないかとも思いますが、今度は形式乱立群雄割拠の憂き目を再び見る羽目にならないとも限りません。
確かに普通のブラウザで青空文庫を見るよりは便利です。リジュームしやすいし。あとデバイスの解像度がある程度確保できるのなら、文字にこだわらずページ全体の画像を出力できるので良いのではないかなぁっと思います。解像度が足りない場合、どうなるのは試していませんが。きっと本物の電子ブックリーダーを使うと素晴らしくよく見えるのでしょう。
現時点での注目点は「デファクトっぽいのができました。」くらいでしょうか。昔http://www.jepax.org/なんてものがあったのを思い出してしまいました。あとT-Timeとか。
簡単なまとめ
誰か日本語がそれっぽく見える汎用的なxHtmlとCSSを模索してくれれば、なんとかなるかもしれません。もしくは、リーダーが日本語をそれっぽく表示してくれるとか。そういえばあの不憫なCSSの印刷用のプロパティは有効なのでしょうか、頓挫したかのように見えるCSS3がらみとか。多分すべてはいつもどおりリーダの対応状況に拠るのでしょう。もしかすると案の定プレーンテキストが最高という結果に終わるのでしょうか。
この先の発展が楽しみです。
*1:ePub形式で出力した際に、最後で失敗するときはZIP32J.DLLとZIP32.DLLがはいっていないのが原因らしい。