フィットネスランナーについて思ったこと

感想・レビュー

Nitendo Switchで持っているソフトは、リングフィットアドベンチャー(以下、RFA)、フィットボクシング(以下、FB)、Live A Live。で、今度フィットネスランナー(以下、FR)と言うゲームが出たということで、体験版を遊んでみた。

Amazon.co.jp: フィットネスランナー|オンラインコード版 : ゲーム
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まずの感想

色々思うところは後々書くんだけど、このゲーム?の提供する内容ってのは自分が欲しかったものだなぁというのが一番の感想。

いままでRFA、RBやってて思うのは、RFAはすごく良いし毎日でもやりたいんだけど色々面倒くさくて足が遠くなってしまう。一々、ヨガマットを引っ張ってこないといけないし、やってる最中頻繁に立ったり座ったりするし、ちゃんとしないと終わらない(いやこれはいいことなんだけど)。

FBは、準備はそんなにかからないし、やってる最中は無心になってパンチしてればいいから気にならないんだけど、どうしても体の特定部位しか使ってない感が拭えない。有酸素運動だからそれでもいいんだろうけど。

対して、このFRは短時間に有酸素運動と筋トレ的なメニューを繰り返すことで、短時間、バリエーションのある運動が可能。かつ、運動メニューは立ったままできるものしかないので特に準備もいらずにサクッと始めて、サクッと終われる。FBもなれてきたかなぁくらいでも、はじめてFRやって軽い筋肉痛になったので今まで使ってない筋肉使ったんだろうなって思えたのも素晴らしい。

そういう意味では、RFAとFBのちょうどいい、中間的なポジション。最近は、FRのデイリーをやってから、FBのデイリーをやる感じ。まだまだFRの効果はよくわからないけど、体験版から製品版にアップグレードしても、まぁいいんじゃないかな。くらいには思っている。

実際ゲームとしてどうなん?

というのが、運動不足をなんとか解消しようという人の意見なんだけど、こっからはゲームを遊ぶ人から見たFRの感想。ぶっちゃけると、運動不足をなんとかしようという側面ではすごく良いと思うし、むしろ「こういうのが欲しかったんだよ!」ってなってるんだけど、ゲームとしてどうなん?って聞かれると「ゲーム作るの初めてだったんですか?」って言いたくなる。

いや、自分もある程度ゲームをやってるので、そういう味わいも好きなんだけどね。

オープニング

オープニングは、ちょっとした世界観の説明なんかをナレーションで紹介してくれるんだけど、基本的に画面上の文字とナレーションで説明されるから、すごく淡々としている。これから運動するぜ!って思ってるはずのプレイヤーをだいぶ置いてきぼりというか、逆にプレイヤーの気持ちにブレーキかかっちゃう。しかも、ここの説明、この後の展開には全く影響もないので、ほんとに聞かされるだけ。

あと、これは偏見なんだけど、日本のアニメ映画でこのオープニングが流れたら「あー、きっとこの後に事故かなんかでこのゲームの世界に閉じ込められる展開なんだろうな」って感想になりそう(SAO感)。ナレーションの声質もあるんだろうけど、逆にちょっとワクワクした。

チュートリアル

オープニングから続けてチュートリアル、というか今回テーマになっているスーパー・サーキット・トレーニングの説明や考え方、やり方なんかを丁寧に教えてくれる。その途中で身長や体重を入れたりなんだり、ちょっとした動きをレクチャーしてくれるんだけど、これもすごく丁寧にすぎる。

このゲーム、フィットネスクラブを運営しているティップネスというところが全面監修しているということもあるんだろうけど、すごくちゃんと説明してる気がする。が、プレイヤーとしてはとりあえず「やってみたい」と一番モチベーションが上がってるタイミングで延々説明が続くと若干萎える感じがある。いや、ちゃんとしたいんだろうなっていう誠実さは伝わるんだけどね。

例えばRFAとかだと、最初の導入時のストーリーもスキップしていきなり運動に入れるような導線にして、それが終わってから導入ストーリーの振り返りができる感じだったかな。そんなんでも良かった気がする。

運動のトレースとミブリさん(仮称)について

運動は立った状態でやって、手に持ったジョイコンの動きで測定する感じなんだけど、これがまた癖が強い。やってる感じだと、ジョイコンを持つ角度(手首の角度)+ジョイコンの軌跡(腕の動き)で測定してるんだけど、これの正解がゲーム中どこを見ても書いてないっぽい。

一応、画面の右上にはRFAで言うところのミブリさんがいるんだけど、これは体全体の動きをそれっぽく見せてくれてるだけで肝心の手首の角度がわからない。結果、縦横にまっすぐ動かすってのは割りとわかりやすいんだけど、曲線を描いたり、斜めに動かしたりするやつだと全然OK判定をもらえない。これははっきり言ってストレス度は高い。

RFAは動きのトレース判定がちゃんと出来ていたので、むしろちゃんとしないと進まないことに納得感があったしプレイヤーがちゃんとした動作でできるまでいつまでも待ってくれる(それはそれで辛いのだけど)。FBはトレース判定はほどほどにして(ぶっちゃけパンチの種別なんて対して判定していない。腕が動けばOKだろくらいのノリ)、NGだろうとなんだろうとどんどん先に進んじゃう。それぞれ一長一短あって良いんだよね

FRの場合はトレースも難しく、しかもOK判定もらえないと先に進まないし、ステージの時間制限があって途中で失敗!って終わっちゃう。こっちは動かしてるじゃん!って思うけど、OK判定もらえないから仕方がない。

で、結局少しなれてくるとOKをもらうための動きに少しずつ寄っていって、あーこれはミブリさん(仮称)は手をまっすぐ動かしてるけど、自分は手を円形気味に動かしたほうがいいな的になってしまう。だって、それをしないと評価点は別としてステージが途中で失敗して終わっちゃうから。なんかこれはもったいないなって思う。

追記:後日、公式Twitterでこういうアナウンスがあったので意識してやってみよう

画面とのインタラクション。身体性?

FR、ゲームとして考えたときに一番イケてないと思うのはインタラクション。

実際に体を動かしてゲームするわけなので、自分の体の動きとゲーム内のキャラクターの動きがうまいこと噛み合ってほしいし、それが快感につながると思う。思うんだけど、なかなか難しい。

例えば、以下の動画の2分15秒くらいからなんだけど、ここではプレイヤーは手を交互に上げる運動をしている。で、画面上のキャラクターはそれに合わせてスパイダーマンのような感じでぴょんぴょんしてる。画面上にバーがあって、そこにある丸印が手を動かすためのガイド。

よく見ると分かるけど、プレイヤーが手を上げきったタイミングと、キャラクターが動くタイミングが若干ずれてる。プレイヤーが手を挙げる、一拍おいてキャラクターが動くみたいな。

これ、実はゲーム中でも説明されてて、プレイヤーが動くとなんとかってエネルギーが溜まる、そのエネルギーを使ってキャラクターが動くという設定なので、プレイヤーが動いたあとにワンテンポ遅れてキャラクターが動くってのはゲームの設定的に何も間違ってない。

けど、実際にプレイしている身としては、自分が腕を上げたタイミングでキャラクターにも動いてほしい。そうするとキャラクターとの一体感が出るし、動いてる!って感じになると思うんだよね。それがないから運動してても、なんかぎこちないというかタイミングが合ってない感じがしてしまう。

公式で配信されている動画の種類が少ないのでちょうどいい例が見れないんだけど、階段状のステージをキャラクターがジャンプしながら降りていくステージなんかは特にタイミングが合ってない。プレイヤーが動く、一拍おいてキャラクターが飛ぶ、みたなチグハグ感がある。

あとこれも気になる点として、最後ゴールするタイミングの演出と動き。これもちょうどいい動画がないんだけど、ステージ中運動を繰り返して最後にゴールする。問題はゴールする直前の運動のリザルト(OKとかCoolとかNGとか)の表示をキャンセルしてゴール演出が入るので、なんかせっかくやってる運動を途中で中断させられてるような気持ちになる。なんだろう、ランナーがゴールテープの直前で最後の一歩を踏み出したときに、急にゴールって画面が切り替わる感じ。「こっちはまだ途中ですけど!?」みたいな。

じゃぁ、せめて最後のアクションが終わって、一拍おいてからゴール演出って感じだったらそれなりにやりきった感もありそうだけど、右上のミブリさん(仮称)もゴール後も同じ運動を繰り返しているので、それに合わせるとそういう感じでもない。なんかいろいろ噛み合ってない気がするんよね。

そもそも画面いる?

これは運動ゲームあるあるなんだけど、運動しながらゲームって難しいよねってなる。体の向きもあるし、見てらんねーよみたいな。でも、ガイドのミブリさん(仮称)は確認したい。みたいな。

で、RFAはミブリさんの動きをガイドにしつつ、キャラクターがプレイヤーの動きをトレースしてくれるので、動きがわからなければミブリさん、体がちゃんと動いているかわからなかったらキャラクターを見る。という作りになっている。あと、画面を見れないような体勢で行う運動の際には、はじめに画面を見なくて良い運動ですというアナウンス+事前に動きをレクチャーしてくれる。その場合は画面は見なくても良いとはじめにわかる、親切。

で、FBは画面に流れてくる動きの種類を表すアイコンでタイミングを図るだけでいい。動き自体もまっすぐ前を向いてやる動きだけなので目線が外れることもなくなんの問題もない。また、アイコンを見なくてもキャラクターが同じ動きをしてくれているので、それに合わせるだけでも十分できる。さらに加えて全部の動きについて音声でタイミング、動く種類を説明してくれるから慣れてくると画面を見なくても動けるようになる。逆に音声を切ってても問題なくプレイできる。3種類のナビゲーションを同時に提供して、どれを使うかはプレイヤーに任せる、ある意味すげーナビゲーションだなって思う。

対してFRは、画面の右上にいるミブリさん(仮称)は前述の通りOK判定に必要な動きを教えてくれるわけでもないし、ゴールまでのタイミングを合わせてくれるわけでもなく、淡々と同じ動きを繰り返しているだけ。ゲーム中のキャラクターの動きはプレイヤーの動きとは大して関係もない、タイミングも合ってない動きなので、ぶっちゃけ画面みてもよくわからないというのが本音。これはなかなか辛い。

番外編:キャラクターについて

FR、売りの一つとして豪華な声優陣とキャラクターっというのだけど、ぶっちゃけ前述の通り画面見る必要性が薄くてなんとも言い難いというのはかなりある。声も色々入ってくるんだけど本筋の運動には対して役に立ってない。あと、運動実績に応じてコスチュームを変えられます的な要素も、今見えている範囲の替え衣装はなんというか代わり映えしない。

あと、なんというかモデルと表情と動きがすごい連動していなくて、なんていうんだろう。攻殻機動隊に出てくる敵側の義体みたいな不穏さというか不気味さを若干感じなくもない。とくにウォーミングアップとかクールダウンのときのモーション。なんか、いきなりギギギッって音がして襲ってきそうな気配ある。たぶん、体と顔の繋がりが…、どうなんだろうもしかして繋がってないのかな?いつも視線が少し違うところ向いてますよね的な。

逆に面白いのはリザルト画面。これも動画がなかったのでぜひ体験版で見てほしいのだけど、運動が終わったあと、キャラクターがリザルトを教えてくれて、褒めてくれたり喜んだりしてくれる。なんとなくこちらも嬉しいし、いい感じ。なんだけど、その結果報告が終わったあと、キャラクターが急に無表情になってワープして消えちゃう。ホントなんだろう、一瞬前まですごく親しみやすかったのに急にスン…ってなっていなくなっちゃう。

これは見てもらったほうがほんとにいいけど、こういうの好きな性癖の人は絶対にいると思う。なんだろうアンドロイドのメイドさんがいて、すごく優しく親しみやすくしてくれるけど、作業終わった瞬間無機質なアンドロイドに戻って反応してくれなくなってしまうみたいな。その親しみやすさもプログラムだったのか!みたいな。

番外編:体験版について

これは体験版だけの話なんだけど、もう少しちゃんと体験させてくれてもいい気がする。体験版の有効期間が5日だけってのは特に問題ないと思うけど、例えばハードモードを試せない、運動の種類を選んだり増やしたり出来ない、メニューも作れない、キャラクターのコスチュームの変更もデフォルト以外は出来ないとか、せっかくのこのゲームの売りを体験版で体験できないってのはもったいない。

5日間って縛りをつけたんだったら、いっそのこと全部試せるようにして、製品版にしたらそれを引き継げますよくらいにしたら良かったんじゃないかな。運動の種類が全45種類って言われても、体験版で触れられるのはほぼデフォルト?の一部だけだし、運動メニューカスタマイズできますって言われても、体験版ではカスタマイズできないので実感も何もない。このゲームの価値は継続することなので、この辺を制限することに意味はないと思うんだけど、ゲーム業界的には違うのかもね。

終わりに

なんだっけか、こんなもんだっけ。もう少し書いておきたいことがあったような気もするけど、わすれちゃったな。思い出したら追記しておこう。

で、ここまで好き勝手に色々言って、腐すそうなことも書いた気もするのだけど、総評としては非常にいいのではないかなと思う。これはゲームとしてと言うより、日常生活に運動の要素を取り入れるためのツールとしてって評価。自分がRFAやFBをやっていて思っていた足りないところを狙い撃ちしてくるようなコンセプト、体験を提供してくれるというのはそれだけでありがたい。

ただ、一方でゲームとしてどうなん?って思うところは、もちろん多々あって。それは不慣れさや生真面目さみたいなものが起因しているようなので、若干の微笑ましさも感じてしまう。お前何様だよって感じだけど。

正直、この調子で2とか続けて作っていけばすごく良い作品になりそうだし、期待したくはある。そういうのも込めて製品版を買うかなぁ。って感じ。あとは本当にこのゲームでやれるスーパー・サーキット・トレーニングってのが効果があるかってところだよな。こればっかりはやってみないとわからないよね。運動しないとなぁ。

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