Evernoteのプランが改定されたという話について思うこと、期待したいこと。
実質、有料化って話だよね
先日、Evernoteのプランが改定されていろいろな変更があった。大きな変更点としては、有料プランの値上げと無料プランの制限の強化。有料プランの値上げについては、年額で大体1,000円くらいの値上げ。無料プランの制限強化は同時利用端末数が今までの無制限から2つまで。
詳しい値段と機能の対応についてはここを参照のこと。
無料プランだと同期端末数2台
Evernoteの売りの一つとしては登録した情報にどこからでもアクセスできるてっのがあったはずなんだけど、同期端末2つってことは、PC、スマホ、タブレットの3つで同時には使えないよって話で、それどころか自宅と会社のPCで同期しているとかならもうそれだけで出先で利用できなくなる。実質有料サービスかなんだよなぁ。
いくつかの情報を見てみると、同時に同期できる端末が2台ということなので適宜切断と承認を行えば複数端末間で同期できるようになるらしい。いや、そんな面倒なことしないでしょ。Web版を使えば端末の制限に引っかからずに使えると言ってもアプリ版ってのは大きいわけで。正直そんな状態ではEvernoteを活用しようみたいな話にはならないわけで、今後の無料版ってのは完全にお試しモードってことになるんじゃないかな。
より詳しい情報は、Evernoteで公開されているよくあるご質問: 端末に関してを参照のこと。
僕の利用状況
自分個人のEvernoteの利用状況というと、過去のメールを調べてみると2009年くらいから使っていて、2010年くらいからプレミアムに入っているらしい。改めて振り返ると結構長い間使っていることになるなぁ。ただし、今年の6月にプレミアムの有効期限が切れたまま更新していないので、今はベーシック。
僕が有料プランを継続しなかったわけ
じゃぁ、なんでプレミアムの契約更新をしなかったかって言うと、正直な話それに見合った使い出がなかったって話。
使い始めの頃は、当時喧伝されてたみたいにいろんな情報をEvernoteに放り込んでいたんだけど、しばらくするとノート数が多くなりすぎたり検索が面倒くさくなって登録する情報を絞るようになってきて、最終的にはどこでも書けるメモアプリ的な当たり前の位置づけに落ち着いた。そうなると問題になるのは文章が書きやすいかってことで。
Markdownを使いたかっただけなんだ
正直ってEvernoteはそこがいまいちよろしくない。基本的にはWYSIWYGを使ったエディタで簡単に文字の装飾をしたり画像を貼ったりってのがし易いのがいいところなんだけど、書いた文章の取り回しを考えるとよろしくない。メモをとるなら後で使いまわせるようにMarkdownで書きたいんだけど、それはEvernoteで書いた際に指定した文字の装飾だったりと互換性がない。
なので、Evernoteに下書きを書いても、後で使い回す際にはいちいち全部の内容を再度修正する必要がある。もちろんEvernoteで文章を書くときからMarkdown形式で書いてればいいし、それは可能。だけど世の中のMarkdown形式に対応したエディタなんかでは各種ショートカットやテンプレートがあって便利に文章を書き進められるんだけど、Evernoteにはそれがないせいでスマホとかで文章を書くとなるとそれはそれはすごく面倒くさい。
結局、使い回しを考えればDropboxと連携したMarkdownエディタでいいやみたいな話に落ち着いてるのがEvernoteの有料版を更新しなかった理由の一つ。ただ、自分の場合、日常的にWindows、Mac、iOS、Androidを使ってるので、データ自体はDropboxに一本化されているといっても、そのMarkdown用のエディタ自体はそれぞれ別々で決定版が無いのが問題。それこそEvernoteが対応してくれれば、自分にとってまさに手放せないツールになるはずなんだけど。どうもそういうふうにはならないらしい。
Evernoteに望むこと
結局、自分にとってEvernoteはかなりいい線をいってるサービスなんだけど、最後の一歩が足りてないという位置付け。例えばこの記事はスマホで書いてるけど、EvernoteではないMarkdown形式に対応したエディタで書いている。書いてる内容はEvernoteではなくDropboxに保存されている。本心で言えばEvernoteにまとまってくれてたほうがよっぽど便利なんだけど、そうはなってない。
なので、僕がEvernoteに望むことがあるとすればMarkdown対応ということになる。別にプレビューがほしいとかそういう話はしていなくて、ごく単純にEvernoteのエディタにMarkdown用のショートカットを追加して欲しいだけなんだ。そうしてさえくれれば、スマホでもタブレットでもPCでもEvernoteを心置きなく使えるようになるはず。
で、結局有料版を契約するの?
ここまで書いてきて、じゃぁプラン変更があったけど結局どうするの?って話。
Evernoteのマネタイズの計画なんてよく分からないけど、彼らの広告は載せない、ユーザーデータは売り渡さないって方針はすごく共感できる(じゃぁ、日経との連携は何なのかって話は脇においておくとして)。それに今まで有料のプランを使っていた感想として、まぁ便利に使っていた。
プレミアムなプランにしても月に直せば500円足らず、正直全然払えない額じゃない。多分、日常的にEvernoteを使っている人にとっては払ってもいいくらいの金額だと思う。問題は、僕の望む使い方とマッチしないというだけで。
どうなんだろう、僕自身としては多分プレミアムもう一年くらい使ってみるのはありなんじゃないかな。その間で僕の使い方に合うようになれば、また使い続けるだろうし、そうならなければ潔く別のサービスに移るんじゃないかな。今はそんなことを考えてる。
ただこれから新規に使い始める人にとってはかなり敷居が上がったし、OneNoteみたいな強力なライバルが出てきたわけで、今まで曲がりなりにも存在してきたユーザコミュニティ的なものは斜陽のなっていくんだと思う。
その時にEvernoteがどういう位置づけになるのかはよく分からない。せめてベーシックの初年度だけでも端末台数を無制限にでもしてればよかったのに。と思うのは門外漢だからだろうか。