現在Mysqlがおかれている状況と今後の方向性についての概観。自分は普段からMysqlの動向に注目している人ではないので、そういう風になっているのだなぁっと思えるセッションでした。
概要
日時:2009年12月5日(土) 10:00-11
: 00
場所
: 九州産業大学 情報科学部棟(12号館) 12108教室
講師
: 梶山さん(サン マイクロシステムズ)
サンとMysqlの現状について
現在、Oracleとの合併について調査中。実際に合併(が|で)どうなるかはサンの社員でも双方の公式のアナウンスがあるまで分からない。Mysqlは合併後も継続する。ちなみにMysql5.4が遅れているのは、合併の問題ではなくプロジェクト的な問題。
Mysqlは現在世界で最も使われているDBMSの一つで、Web系、組み込み系、エンタープライズ系など幅広い分野で使われている。エンタープライズ系では銀行や米海軍でも使われている。
リリースモデルの変更
Mysqlでは、今後のリリースモデルをマイルストーンモデルに変更する。マイルストーンモデルでは、3~6ヶ月のスパンで小規模のアップデートを行い、12~18ヶ月のスパンでそれらを取り込んだ安定板をリリースする。
サンでは告知したつもりだったのだけど、意外と知られていないようだとの話
バイナリログの形式の変更
Mysql5.1では、バイナリログの形式を既存の「実行されたSQLを保存していく方法」と、新しく追加した「実行結果を保存していく方法」の2つから選択可能にした。双方良い点と悪い点があるので、既存の方法をベースに選択してもらえるようにしている。
「実行されたSQLを保存していく方法」の良い点はログの容量が減らせること。悪い点はレプリケーションなどの際に、結果が整合するとは限らないこと。「実行結果を保存していく方法」の良い点はレプリケーションなどの際に、結果が整合すること。悪い点はログの容量が膨大になる可能性があること。
5.4での機能
Semi-Syncronize(半同期型)によるレプリケーション。従来の同期型では、マスタとスレイブ間の通信が遅くなりすぎる。非同期型では整合のタイミングがつかめない。半同期型では、スレイブがデータの処理を始めた段階でレスポンスを返すので、その中間を取れる。
その他の話題
分散環境を構築するためのMysql Cluster、実はAPIを使うとKey-Value Storeのように使えたりする。
GUIのツールであるWorkbenchは今後拡充していく。