TBSのPodcast撤退という話で考えること

考えたこと

TBSラジオ、ポッドキャストやめるってよ

TBSラジオ、ポッドキャスト終了 10年超の歴史に幕 「収益化のめどが立たないため」というニュースを見て。Podcast自体はユーザとしてずっと聞いていて、終わっていくには惜しいコンテンツ形態なんだと思うけど、今のコンテンツの配信の仕組みがベストとは思わないっという問題意識だけはある。

 TBSラジオは6月6日、放送済みのラジオ番組のポッドキャスト配信を30日で終了すると発表した。ストリーミング型の新サービス「TBSラジオクラウド」に移行し、今後もコンテンツ配信は続ける。

see. TBSラジオ、ポッドキャスト終了 10年超の歴史に幕 「収益化のめどが立たないため)

一番の感想としては、直近では月間コンテンツダウンロード数5000万あるらしいTBSレベルでも収益化なにそれ?みたいな感じなこと。まぁ、ラジオの流用って形だからPodcast向けの展開がしづらかったりするんだろうけど、案の定ネックは「実際のアクティブユーザー数の把握が難しいこと」。

Podcastの収益化の事例

Podcast向けの展開としてあるのは、$9.99/月のRebuild.fmサポーター制度だったり、月額540円のヴォイニッチの科学書の有料版だったりになるんだろう。どちらも音声コンテンツ以外の付加価値を準備することでコンテンツとしての魅力を打ち出している。

従来型の広告で言えば、ラジオNIKKEIの伊藤洋一のRound Up WORLD NOW!。いつもPodcastで聞いていて実際の放送を聞いたことはないのだけど、普通のラジオのようなCMが入るし、ラジオに提供している会社の社長をゲストに迎えての企画枠なんかも定期的にやってたりする。

TBSラジオのポッドキャストで聞いていたのは、文化系トークラジオLIFE伊集院光の深夜の馬鹿力くらいだったけど、CMといえばradiko.jpくらいだったかな。多分、基本的な志向としては、Podcastでどうこうするのではなく、Podcastを呼び水としてラジオに誘導したかったんだろうなぁ。いや、よく知らないけど。

とは言っても空き時間で聞いているPodcastユーザとリアルタイムに聞いているラジオのユーザってユーザ層が被ってない気がするんだよなぁ。ラジオで流しているコンテンツだったこともあってPodcast向けのコンテンツってのも難しかったんだろうし。

Podcastの限界とサービスプラットフォーム化

もちろん、「実際のアクティブユーザー数の把握」さえできていれば、それに合わせたコンテンツや広告も提供して、もう少しまともなサービスが考えられたんだろうけど、Podcastの一番の問題点は、その仕組みがRSSとダウンローダー以上でも以下でもないってことで。それが手軽だった反面、それ以上のことはなにも出来なかったんだよね。

結局、それ専用にアプリなり仕組みなり作れるって言われても、作る側にとってはコストが上がるし、使う側にとってはアプリが分散すると面倒くさいし。課金要素を追加しようとすると更に面倒な話になるのが目に見えてる。で、TBSは自分で作っていく道を選択したと。

広告モデルとしては、個人の好みや属性に合わせた音声広告を番組中で配信する「プログラマティック・オーディオアド」を年度内に導入予定だ。「欧米では普及が広がっているが、国内ではまだ事例は少ない。新たなラジオの広告源にできれば」(担当者)

see. TBSラジオ、ポッドキャスト終了 10年超の歴史に幕 「収益化のめどが立たないため)

そういう意味では、AppleなりGoogleなりがPodcastをホスティングして、自動的に広告を埋め込むとかまで配信から収益化までをカバーしたプラットフォームになれば、ちったぁマシになる気はする。Google先生がPodcastにやる気を出しているのは光明なんだろうけど、今の時点で「世界有数のポッドキャスター」だったTBSが降りたってことは、正直大した話ではないのかもしれない。Apple先生はよく知らないけど、Podcastとかなにそれ?みたいに思ってるイメージがある。本家なのに。

今後のPodcast業界?

今後のPodcast界隈なんて1リスナーにとってはさっぱりなんだけど、多分、ラジオ系のPodcastってのは減っていくのだと思う。ラジオのコンテンツを使えるという利点はあるけど、ラジオのコンテンツに縛られる以上、収益性のあるPodcast番組を作るのはかなり難しそう。もし追加でコンテンツを作成したとしてもペイできないだろうし。

逆にセミプロというか一種のサロンを形成している人たちのPodcastは増えていく気がする。これは、これ自体が一種の広告だったり商品の一部だったりして、収益の回収をPodcastの世界で閉じて行う必要が無かったり、Podcast単体での収益は考えなくて良かったりする。例示としては、先に上げたRebuild.fmだったり、ヴォイニッチの科学書だったり、ライフハックLiveshowみたいなのかな。

あとは個人がやっているPodcast。なんだかんだで音声のみでよくって仕組みも簡単なPodcastだけど、結局は急激に減っていくような気がしている。それYoutubeでできるよ的な。

そもそもPodcastと同じような界隈にYoutubeやらニコニコやらがいて、明らかにそっちのほうが儲かるよねってのは見えているので普通は移動していくでしょう。Youtubeもニコニコもそれぞれスマホでバックグラウンド再生可能なアプリだったりサービスだったりを提供しているし、課金や広告周りは備わっているので、あとは継続的に聞いてもらう仕組みがあればPodcastの後釜にはなれそうな気がする。

世界的な規模でってなるとGoogle + Youtubeに期待ってことになるんかなぁ。Apple先生はどうするんやろう。プラットフォームに非依存なPodcastという形態は好きなんだけど、世の中的には動画配信サービスみたいにプラットフォーム戦国時代的なものが来るのだろうと思ってたりする。戦国時代になるほど人と需要があればだけど。

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