今話題のDeepSeek。出てきて早々に高評価を獲得したり、NVidiaの株価を下げて経済にダメージ与えたりといい感じの動きをしているんだけど、これを見ていると、いろいろ考えさせられる。
まぁ、元々が中国初のサービスということで、当たり前のように出力結果に検閲が入っている。もちろん、ChatGPTにしろ、ほかの生成系AIサービスにも入っている。これがどの程度可視化されるか、気づけるかってのが一つ。
また、このサービスのバックグラウンドは中国にあって、そのデータがどう扱われているかというところがある。こちらは入力の検閲。もちろん、ChatGPTにしろ、ほかの生成系AIサービスでも入力されたデータの扱いはどこまで相手を信じられるかってところにかかっているわけで。
どちらの問題（入出力の検閲）も今回の対象が中国ということで分かりやすくフォーカスされていくんだけど、今後出てくる様々なサービスでどう考えるかってのは重要。
今回は、そもそも相手先がクリアではなさそうだということで意味はないけれど、最近のメッセージサービスやビデオ会議の分野ではエンドツーエンドの暗号化って話が一般的になりつつあるけど、そういった枠組みは必要だよねって思う。とは言いつつも、「バックグラウンドはChatGPTでAPI使ってるから安心です！」みたいなサービスだって、ChatGPTにデータを投げる前、投げた後の出力をユーザに渡す前には、そのサービスの中の人が入出力にアクセスできるわけで。そういう意味ではホンマ大丈夫なんかいなって話が無くなるわけじゃない。
こうなってくると、今後の生成系AIは如何に手元で動かすかってのが一つの指標になる気がする。というより、特定のサービスに組み込まれているものと、汎用的に使うものの二分化で、前者はどうしようもないとして、後者はよりクローズドな方向に向かうんじゃなかろうか。
特定のサービスに組み込まれているものっていうと、例えばZoomなんかの文字起こしや要約、Copilotみたいなもの。こういうのはそもそもサービスを使う上である程度サービスを提供している会社を信用する必要があるし、もうどうしようもないよねって感じ。
汎用的に使うものっていうと、ChatGPTに色々聞いたり、プログラミングしたりとか、Perplexityみたいにエージェントとして動くようなもの。こういうのは手元で、クローズドな形で動かすことになるんだろうなって感じ。そういう意味でApple Inteligenceの方向性はとても正しいし、軽量な生成系AI、パワフルなパーソナル端末っていうのは需要があるんだろうな。
あとは、そのAIをどこに置くかで、一般的にはスマホがその役割を果たしそうだけど、汎用的にってなると今のセットトップボックスのようなものが家庭にあって、みんなそれを使うのか。いや、そんな未来はないな。スマホが役割を果たすようになって、そこが起点になって動かすようになるんだろうな。この辺の流れはメインフレームから、パーソナルコンピューター、スマートフォンみたいなプラットフォームが段々とパーソナライズされて行くのと似ているのかもしれない。
ただ、今の状況だと結局、デバイスの開発元＝AI提供元みたいな感じで分離していないって感じになりそうだし、じゃぁそれとは違うAIをユーザがそれぞれインストールしますか？みたいになるとたぶん誰もしなくなるんだろうなとか。端末を移したりなんだりとか、ほんとにそういう未来が来るのか、今まで通りベンダーロックインされるのかってのはある気がする。
一番イメージが付きやすいのは、独禁法関係でいろいろ言われているブラウザとか、デフォルトの検索エンジン問題だろうけど、それを見る限りあまりいい未来は待っていないような気がしないでもない。
