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かけ算の順序問題について整理する

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考えごと

なんか、いつもいつも問題になっているかけ算の順序の問題。個人的には、亜留間次郎先生の解説が一番腑に落ちているのだけど、それでも時間が経つと、あれ?どこにどう書いてあったんだっけ?みたいになるので一旦整理して書き残しておくことにする。

亜留間先生の説明としては、「数学的にかけ算に順序がないことはそのとおり。問題は学校教育における指導要領の解釈に問題がある。指導要領には、かけ算の順序についての記載があるが、そもそも教育指導要領は教える側(教師)が守るべきルールであり、教わる側(生徒)が守るべきルールではない。これを勘違いしている一部が、教える側が守るルールを教わる側(生徒)へ適用しているのが問題の原因である」という感じ。

詳しくは「かけ算の順序とか教育のお話 – YouTube」を参照。動画は長いけど、冒頭からのその話をしているので、すぐに聞ける。これと同じ問題として、習っていない漢字や方程式、単位なんかを使うことについても挙げている。

さて、そうなると気になるのは、教育指導要領でなにがどう書いてあるか。

まず、教育指導要領は、小学校学習指導要領解説:文部科学省 から確認できる。その中で、そもそも教育指導要領とはなにかを説明しているのは、「【総則編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」だと思われる。

これらの規定を踏まえ,学校教育法施行規則においては,教育課程は,国語,
社会,算数,理科,生活,音楽,図画工作,家庭,体育及び外国語の各教科,特
別の教科である道徳,外国語活動,総合的な学習の時間並びに特別活動(以下
「各教科等」という。)によって編成することとしており,学習指導要領において
は,各教科等の目標や指導内容を学年段階に即して示している。

 各学校においては,こうした法令で定められている教育の目的や目標などに基
づき,児童や学校,地域の実態に即し,学校教育全体や各教科等の指導を通して
育成を目指す資質・能力を明確にすること(第1章総則第1の3参照)や,各学
校の教育目標を設定(第1章総則第2の1参照)することが求められ,それらを
実現するために必要な各教科等の教育の内容を,教科等横断的な視点をもちつ
つ,学年相互の関連を図りながら組織する必要がある。

【総則編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説, p.11

普通、こういう文書には、冒頭にこの文章の目的とかが書いてあると思うんだけど、初っ端から改定した意図とかごちゃごちゃ改定あって分かりづらい。改定したいととかは別のところにまとめたらいいんじゃないの?あとがき的に。とか思うけど、どうもそうじゃないらしい。なんか自意識過剰じゃない?。まぁ、そうなっているので、このへんかなぁというのを抜粋。

要するに、指導内容をまとめている、ただし現場の状況に応じて創意工夫しなさいよみたいな感じ。別の場所では公教育だからね、みたいなことも書いてある。

で、肝心のかけ算の順序については【算数編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説

「5個のまとまり」の4皿分を加法で表現する場合,5+5+5+5と表現する
ことができる。また,各々の皿から1個ずつ数えると,1回の操作で4個数えるこ
とができ,全てのみかんを数えるために5回の操作が必要であることから,4+4
+4+4+4という表現も可能ではある。しかし,5個のまとまりをそのまま書き
表す方が自然である。そこで,「1皿に5個ずつ入ったみかんの4皿分の個数」を
乗法を用いて表そうとして,一つ分の大きさである5を先に書く場合5× 4と表
す。このように乗法は,同じ数を何回も加える加法,すなわち累加の簡潔な表現と
も捉えることができる。言い換えると,(一つ分の大きさ)×(幾つ分)=(幾つ
分かに当たる大きさ)と捉えることができる。

 また乗法は,幾つ分といったことを何倍とみて,一つ分の大きさの何倍かに当た
る大きさを求めることであるという意味も,併せて指導する。このときも,一つ分
に当たる大きさを先に,倍を表す数を後に表す場合,「2mのテープの3倍の長さ」
であれば2× 3と表す。

 なお,海外在住経験の長い児童などへの指導に当たっては,「4×100 mリレー」
のように,表す順序を日本と逆にする言語圏があることに留意する。

 ここで述べた被乗数と乗数の順序は,「一つ分の大きさの幾つ分かに当たる大き
さを求める」という日常生活などの問題の場面を式で表現する場合に大切にすべき
ことである。一方,乗法の計算の結果を求める場合には,交換法則を必要に応じて
活用し,被乗数と乗数を逆にして計算してもよい。

【算数編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説, p.115

っていうか、わざわざ誰のためのルールかを持ち出すまでもなく、「乗法の計算の結果を求める場合には,交換法則を必要に応じて活用し,被乗数と乗数を逆にして計算してもよい」って書いてあるね。計算して求めるのは教わる側なので、これ話し終わっちゃったのではないか説…。

せっかくここまで書いてきて若干の消化不良感は拭えないのだけど、これ以上書くこと無くなっちゃった。

こんなつまらない話で、学校不信を招くのも馬鹿らしいし、科学軽視の態度をとるのも全く持って馬鹿らしい。どちらも目的は子どもの健やかな成長なのだから。

いや、こんな定期的に燃える話題、文科省もさっさとガイドラインとか出してくれればいいのにって思わなくもないな。