日時
: 2009年7月22日(水)
会場
: ホテル日航福岡 3F 都久志の間
スピーカー
: まつもと ゆきひろ 氏
概観
Rubyは愛
21世紀のプログラミング
ソフトウェア開発(プログラミング)の歴史の中で、21世紀は黄金時代と言えるのではないか?
歴史を振り返って
項目 | 内容 |
---|---|
*1940年代 | コンピュータが無かった |
*1950年代 | プログラミング言語が無かった |
*1960年代 | アルゴリズムが無かった |
*1970年代 | 蓄積が無かった |
*1980年代 | ネットが無かった |
*1990年代 | 性能が無かった |
*2000年代 | 性能・価格・リテラシーが充分に |
1990年代
様々なアイディア・システムが登場したが、コンピュータの性能が追いつかず不遇の時代といえるのではないか。優れたものがあっても様々な制約から本領を発揮できずに、終わったものが多かった。
2000年代
コンピュータの性能が、ケータイやスマートフォンを初めとして格段に上昇。1990年代ではコンピュータの性能が追いつかず本領を発揮できなかったものも実現可能に。
コンピュータの普及に伴いユーザ側のリテラシーも向上し、より一般的に。
21世紀
21世紀のプログラマ
-実はプログラミング人口は増えていない。
-ただし全体のレベルは底上げされている。他の年代では望んでも手に入らなかった情報が、望めば手に入るような状況。
-デジタルネイティブと呼ばれるような世代が人材が育っている。
21世紀のソフトウェア産業
-技術が評価される
-人間が評価される
-景気が悪いほど、イノベーションが生まれる
プログラミングの黄金期
時宜を捉えた技術として、以下のようなものがある。いずれも仕組みのコスト(コンピュータの性能、インフラ、人材)がメリットを上回った結果普及している。
WWW
オープンソース
Ruby
人のコストはあまり変わっていない。
-生産性の重視と人間性の重視
-少人数、短工期、大生産性が求められる
–モダンタイム的な生産ではなく
–セル生産性などの人間性に重点をおいた産業に
ソフトウェア産業の現状
プログラミングの環境としては黄金期にも関わらず、人間性は軽視されている。
-新3Kなど
ソフトウェア産業の今後
-より人間的な環境に変えていく必要がある。
–Rubyのコンセプトは開発の楽しさや人間的なソフトウェア開発にある
–Rubyを社会を改変していくためのツールの一つに
—より人間的なソフトウェア開発へ
—中央から地方へ
今後のRubyの課題
-性能の向上
-信頼性の向上
–ISO規格化など
–処理系の信頼性
-継続
–あと半世紀は続けたい
Rubyはプログラマを信頼する
あれこれ禁止していくのではなく、プログラマを信頼して開放していく
Rubyは愛