二日目から本格的に企業訪問やセミナーなど目白押し。朝は8時から。
サンフランシスコ市の概要の説明を受けたあと、森 洋一氏のクラウドに関するセミナーへ突入
森 洋一氏のクラウドに関するセミナー
一言で言うと、クラウドはインターネット以降停滞しているコンピューティング界隈が次のステップに移行するためのブレイクスルーになりうる可能性があるということ。それに伴って、業界全体のあり方や会社、開発者などが変わっていくことが充分考えられるし、変わっていかなくてはいけない。
今、クラウドと言う場合は特定サービスのASP化(ホスティング)や仮想化のことと捉えられがちだが、必ずしもそれとイコールで結びつくわけではない。しかし、今後ホスティングや仮想化が進むことで、コンピューティング業界全体の仕組みが変化し、ハードウェア的ソフトウェア的に一時的に落ち込むことが予想される。その落ち込みの後に変化がある。
従来の案件では、コンピューティングの専門家と顧客という関係性で業界が結びついていたが、今後は顧客をパートナーと捉え相互に知恵や技術を提供しあう参加型の形態が重要になってくる。そこに集合知(個人的にはシナジーと理解)が生まれてくる。
また、集合知を形成する単位として企業(サービス提供者)、外部の開発者、ユーザを結びつけるコミュニティやそこからのフィードバックが重要になってくる。その為には、企業がより積極的にコミュニティの構成やAPI,SDKの公開などのアプローチを取っていく必要がある。例えば、AppleのiTunes Storeなど。
クラウド(Grid, Cloud, 仮想化など)化に伴い、様々なものの捉え方が変わってくる。将来的には、相互に補完しあう関係となり柔軟なコンピューティングが実現する。
・OSのイメージ
・ソフトウェアのイメージ
・運用のイメージ
・ハードウェアのイメージ
ただし、仮想化が一般化するにつれて仮想化自体ではお金を取れなくなる。今後は、仮想化したものを管理運用していくことがメインストリームになってくる。また、仮想化はアプリケーションだけに留まらず、すべてのレイヤーにわたる(クライアント、ネットワーク、データセンターなど。SaaS、PaaS、IaaSなど)。
今後企業は、SimpleなCoreを目指した変化に強い企業体へ変化しなければならない。その為にも、OpenSourceや仮想化への取り組みは重要である。
その他の話題など ###
・Amazonは自身が持つノウハウや仕組みを他の業者に開放しだした
・Google App Engineは、Googleの最大のノウハウである大規模分散処理を分かりやすい形で提供し切れていない
・今、クラウドを志向している企業は、事業の片手間でやっているところ多い
・アメリカ政府はhttp://www.app.gov/というクラウドプラットフォームを展開しようとしている
McDermott Will & Emery法律事務所でのOpenSourceのライセンスのセミナー
昼食も合わせてMcDermott Will & Emery法律事務所でのOpenSourceのライセンスのセミナー。
近年、OpenSourceの製品を使うことが多くなってきている。しかしOpenSourceとして認定されているライセンス形態(GPLやMITライセンスなど)は多岐にわたっているため、非常に難しい問題となっている。
また、ライセンス自体が厳密な書き方をしていなかったり、複数のライセンスを持つ製品や異なるライセンスをもつ製品同士を組み合わせたりすることも増えてきており、難しさに拍車がかかってきている。そのため、法律の専門家との協議やクライアントとの契約などが今後一層重要なファクターになってくる。
その他の話題など ###
・-あるOpenSourceの製品を待ったく別のの言語で作り直した場合、ライセンスと考えられる
・ソフトウェアの価値には、「製造にかかる価値」と「評価による価値」が存在する
Parascale
その後、クラウドストレージの提供を行っているParascaleに移動し、提供しているサービスなどについての説明や質疑を行いました。
基本的には、Parascale自身に関することが多かったので、ここでは割愛。
・ParaScaleが夢のデータセンター:社内ネットワークストレージが1ギガ1ドル
その他の話題など ###
・クラウドのノードはLinuxベースの一般的な構成のマシンで行っている
・4TBまでの制限があるFreeのバージョンもある
小休憩
この間、Apple本社のAppleストアやスーパーなどで買出し。この辺から、アメリカでの物の値段は、日本のように統一されていないのではないか疑惑がわいてきました。値段付けがアバウトな予感。
ベンチャー支援機関 Plug and Play Tech CenterとJTPAとのミーティング
続いてPlug and Play Tech Centerに行って施設見学と、シリコンバレーで働く日本人のための交流会JTPA(Japanese Technology Professionals Association)とのミーティングというかF-RubyやRBCなどの活動紹介。
意外と言うか、当日集まったシリコンバレーで働く日本人技術者の間ではあまりRubyはポピュラーではないような様子でした。クラウドについても余り取り組んでいないようなので、シリコンバレーでも具体的な動きはこれからなのかなぁっと言った印象。
そのまま懇親会に突入して2日目終了。