生成系AIと“知の補助具”としての可能性
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視力が悪いというハンディキャップを眼鏡で乗り越える
視力が悪い人は物がよく見えない。見えないから、視力が悪くない人に比べると危険があったり、間違いがあったり、不便があったりする。もしかすると視力が悪いことで、本来持っているポテンシャルを活かせず、不遇をかこつことになるかもしれない。
そんな困難を解決するためにメガネがある。メガネを掛けることで、視力を補強し、困難を避けることができる。そんな視力に対するメガネのように、知力に対するメガネとしての生成系AIを考える。
なんかの話で、主人公の祖先が愚鈍だと言われてたんだけど、実はそれは視力が悪いせいだった。ので、眼鏡的なものをご先祖さまに使わせたら愚鈍だなんだと言われなくなった、みたいな話があった気がする。
知力は生成系AIでサポートできる?
これと同じように、いま様々な要因で知力が悪いと思われているような人たちが抱える困難を解決するための生成系AIというあり方は十分に考えられるのではないか。
例えば、最近話題になっていたのは「無言の帰宅」が死亡の隠喩だとわからなかったとか、「オーストリア」の話をしたらそんな国無いでしょって言われた話とか。それ以外にも難しい言葉を使われたから馬鹿にされているとか、3行以上の文章を読めないとか、アレキサンドラ構文とか。
要するにいま現時点の評価で言えば、知識が不足していたり、知能(?)が劣っていたりしているように見える、こういう事例も、実は適切なサポートがあれば困難を避けることができるんじゃないかなと思うわけです。
@grok 説明して
いま、その分野で一番現実的に見えていると思うのはxAIのGrok。Xとかを眺めていると、結構な頻度で「@grok ファクトチェックして」とか「@grok 説明して」とか。
今でも、そんなことを聞くなよみたいな話とか、生成系AIは嘘をつくみたいな意見はもちろんあって、それはそのとおりなんだけど。じゃぁ、従来だったらどうだったかといえば、本で調べろとか、辞書を引けとか、そういう話になったんだろうけど、そもそもそういうレベルではない人が本や辞書を読んだり調べたりしても、正解にたどり着くのは大変だし、多分たどり着かなかったと思う。
ただ、@grokに聞けるようになる前のTwitterでも彼らはTwitterをきっと使ってた。その時だって、わからないことや気になることがあったけど気軽に聞ける環境になかったんじゃないかなって思う。その時彼らはどうしてただろう、Webで検索したんだろうか、本や辞書を引いたんだろうか、1次ソースにあたって調べたんだろうか。
たぶん、そんなことはあまりなかったような気がする。わからないことはわからないままに、気になっても流れていく。そういった人たちに、ある意味寄り添っているのが@grokというポジションな気がしないでもない。そして、少なくとも、ある事柄について知ろうとする第一歩目、一番面倒くさい一歩目をサポートしてるんじゃなかろうか。
中休み
ここまで書いてきて、だいぶとっ散らかってるなってのは自覚しているんだけど、もう少し続けます。
聞かないと答えてくれない
で、次なる課題は、@grokがちゃんとした回答をしてくれるのか、また、聞かないと答えてくれない点をどうするかってこと。
ちゃんと解答してくれるのかってのは、はっきり言えば怪しい感じはある。所詮、ただの私企業1社のプロダクトだし誰かがなにかを担保しているわけではない。今のオーナーの気質からすると、割と色々やってきてもおかしくはない気もする。ただ、ここは今の生成系AIの状況からするとどこがやっても同じ感じはする。逆に国が提供していても、いや、これやばいんちゃう?って思うだろうし。なので、ここを深堀りしてもあまりいいことはなさそうな気がする。
もう一点の、聞かないと教えてくれない。はそのとおり。今は一々、@grokに聞かないと教えてくれない。聞くというのはすなわち、自分が知らないということを認めることだし、知らないということを自覚することであるので、なかなかにハードルが高い。勘違いしている場合もあるしね。
ユーザによりそう大切さ
一番手っ取り早いのは、例えばXを例にすれば、ある投稿にリアクションしようとしたタイミングで自動的にGrokが走って、リアクションしようとした投稿に対しての説明をしてくれるとか、荒れてそうな投稿があれば、それぞれの見解をまとめたページを自動的に作ってくれるとか。そういう支援があればいいかもしれない。
もちろん、grokだってタダじゃない。Xがそんなありがたいことをやってくれるわけではないので、道はなかなかに厳しい。
例えば、こういうデバイス
そうなってくると、例えば個人でARグラスみたいなものを使っていると、自動的にローカルLLMが映ったものを随時解説してくれるみたいな感じはあるかもしれない。たとえば、ARグラスとスマホが連携。スマホにはローカルLLMが搭載されている。ARグラスで何らかのアクションを取るか、一定時間見つめていると、自動的にローカルLLMでそれに対する説明がされるとか。
これだと、調べていること自体を周りに知られずに済んでいいかもしれない。
え?そんなの恥ずかしいって?今だって、打ち合わせ中に知らない単語が出てきたら、こそっとPCやスマホでググってません?それとおんなじですよ。
こういう風に、実生活に溶け込んだ生成系AIによる知的眼鏡の実装ってのはいいかもしれないな。ARグラスみたいに常時つけてなくても、老眼鏡やルーペみたいなデバイスでピンポイントで使うスタイルってのもいいかもしれない。
おわりに
ちなみに、自分は目が悪いので、モバイルバッテリーとかに書いてある細かい電力表示とかが見えづらい。ので、一応虫眼鏡は机の上においてあったりする。あると便利よ、やっぱり。
なんらかの不足があるのなら、それを補う方法を探したい。それで誰かの困難が解消できるのなら、技術っていいものだなって思ったりもします。
あと、この文章を書いてて思想矯正みたいなものとか、啓蒙思想みたいなものとか、なんか上から目線みたいなことを書いてるんじゃないかってのが頭に浮かんで、いまいちまとまった感じにならなかったな。あんまりそういう意味で書いてはないのだけど、誤解されると嫌だな。